患者さまからのお便りをご紹介します
当院の前身である吉田レディースクリニックの頃から患者さまにお寄せいただいた、貴重な治療体験談です。これから治療を考えている方、また現在がんばって治療されている皆さまにとって、きっと励みになると思います。
治療のステップアップに戸惑い、リフレッシュ期間を経て1回目の体外受精で妊娠
結婚した時は、まさか自分が不妊治療に通うなんて、考えてもいませんでした。
「1年くらいは夫婦二人でゆっくりしたいなぁ。」なんて、のんきなことを思っていました。
しかし、1年半経っても、赤ちゃんを授かることはできませんでした。年齢も30歳になってしまい、先ずは検査だけでもと思い、20○○年5月、初めて通院しました。正社員でフルタイムで働いていたので、看護師さんに「奥様、通えますか?」と言われ、「大丈夫です。」と答えましたが、内心は不安でいっぱいでした。
初めはタイミングを見てもらいながら、色々な検査をしていきました。しかし、なかなか仕事との両立が難しく、「卵管造影検査」をする頃には、10月末になっていました。タイミング法はとてもいいのですが、主人にプレッシャーをかけすぎてしまい、ぎくしゃくし、夫婦生活が全くとれない時もありました。
20○○年5月、通院を始めてから1年が経ち、「自分は妊娠できるのだろうか…。」とても焦りました。そして、人工授精に挑戦してみることにしました。1回目、結果は×。そして、2回目、3回目も…。妊娠することはできませんでした。「なぜ?」という思いがとてもありました。年齢的にも、これ以上人工授精をしても結果は望めないということで、体外受精を勧められました。とりあえず、8月の説明会に参加してみましたが、どうしても受け入れることができず、その後、通院を止めてしまいました。
少し環境を変えようと、主人と海外旅行に行ったり、12月で仕事も辞めました。3月までゆっくりしましたが、赤ちゃんを授かることはできず、主人と話し合い、体外受精に挑戦することにしました。この頃は、だいぶリフレッシュできたこともあり、治療には前向きで、決意もできていました。
20○○年4月、久しぶりの病院で緊張しましたが、「いよいよ始まるんだな!!」とワクワクにも似た感情がありました。治療が始まると、自己注射や、毎日飲む薬等、色々大変でしたが、仕事もしていなかったので、治療を最優先に日々の生活を送ることができました。採卵を終えるまでは、とても不安でしたが、幸せなことに10個以上も採取でき、受精卵も凍結することができました。顕微授精は、あまり考えていませんでしたが、吉田先生に勧められ、体外受精と同時に顕微授精もしました。採卵した卵を無駄にしない為に、結果的には顕微授精もやってよかったです。
20○○年7月、いよいよ移植。移植の時は、「次もある。」とリラックスして臨めました。「二週間後が待ち遠しいような、来てほしくないような…。」そんな気持ちでいましたが、神社に行って拝んだりしました。
そして、二週間後。診察室に呼ばれ、吉田先生に「おめでとう!!」と握手を求められ、びっくりと嬉しさで、本当に信じられませんでした。まさか、移植1回目で妊娠できるなんて、夢のようでした。その後、待合室で一人、辛かったことを色々思い出し、泣きそうになりました。そして、震える手で、手帳に予定日を書き込みました。
今思うと、タイミング法が一番辛かったような気がします。主人に夫婦生活を断られたり、喧嘩して、「子どもなんかいらない!!」と言われたり…。辛くて泣いたり、実家に帰ろうか悩んだり、苦しかったです。職場では、「子どもはまだか?」、「予定はないのか?」、「作り方教えてやろうか?」等、セクハラ発言を受け、家に帰ってきて何回泣いたか、数え切れません。私に、周りの声を流せる強さがもっとあればよかったのにと思います。又、心無い一言がどんなに女性を傷つけているのか、世の中の男性には知ってほしいです。
最後になりましたが、吉田先生をはじめ、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。通院を始めてから赤ちゃんを授かるまで、2年以上かかりましたが、こんなにうれしい幸せな気持ちを味わえたのは、皆さんのおかげです。この病院を選んでよかったです。出産までは、たくさん不安はありますが、授かった命を大切に守っていきたいと思います。