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A-PARTに参加して

こんにちは。
医療技術部・胚培養士の菅野です。

3月19日に東京で開催されたA-PART学術講演会に参加してきました。
当院からは、理事長が講演を、私がポスター発表を行い、
共にIVM(in vitro maturation)について報告してきました。

IVMについて…
体外受精を行うため、通常の採卵では、受精することができる成熟した卵子を採ってきます。
しかし、多嚢胞性卵巣症候群などで、
通常の採卵のように注射をたくさんしてしまうと、
採卵の最大リスクである卵巣過剰刺激症候群(OHSS)となる可能性の方もいらっしゃいます。
そこでIVMの登場です。IVMでは発育途中の未成熟な卵子を採ってくるので、
注射による卵巣への刺激を少なくしてOHSSリスクを低くすることができます。
採れた卵子はまだ受精することができない未成熟な卵子であるため、
お腹の外で培養し、受精できるように成熟させてあげなくてはなりません。

この技術を IVM(体外成熟培養)と言います。

しかし、お腹の外できちんと成熟させるのは、まだまだ難しく、
改善するところがたくさんあります。
当院では、IVMの成績改善に積極的に取り組んでおり、
今回、理事長は、『これまでのIVM改善への取り組みや成績』について講演し、
私は、2015年より新しく取り入れた『 ES-IVM 』という方法についてポスター発表を行ってきました。

ポスター発表では、発表者の中から優秀な演題に対し、奨励賞が送られます。
そして今回

なんと驚き

なんと

なんと

私の発表が選ばれました!

これも、理事長をはじめ、培養室主任、副主任、ラボスタッフ皆様のおかげと
私の大きな努力で獲れた賞かと思います!

…失礼しました 笑

これを励みに、これからも仕事に取り組んでいきたいと思います。

学会の帰りは、新幹線の時間ギリギリで何も買わずに乗り込みました。
すると発車するや否や隣のサラリーマンがおつまみ片手にビールを飲み始め、独りで宴が始まりました。
夜遅い時間、賞も獲ることができ、調度よく2本の缶ビールもあったため、
自分も宴に参加し祝杯をあげ、夢について語り合いました…


…と、そんなことにはならず、窓から見えるトンネルの暗い景色と
漂う燻製いかの香りに哀愁を感じながら、歯を食いしばって眠るのでありました。