ブログカテゴリー: ラボより


6月上旬に「日本不妊カウンセリング学会」に参加してきました。

この学会では、広く妊娠・出産や不妊に関する適切な情報提供を行っています。

またそれとともに、不妊で悩んでいるカップルが最適の治療を選択できるようカウンセリングの普及も目的としていて
「不妊カウンセラー」「体外受精コーディネーター」
の認定資格があり、医師・看護師や心理士だけでなく
培養士や鍼灸師も会員となっています。

実は当院でも、
不妊カウンセラーの資格をもつ看護師
体外受精コーディネーターの資格をもつ培養士
が活躍していますよ!


当院では卵や精子、体外受精技術について
医師の補足説明を培養士が担当しています。
当院のこれまでのデータや、最近の学会等での報告を基に
お一人お一人に合った補足説明をさせていただいています。

ですが、受精卵の状態は患者様によって様々。

受精の方法・培養の方法・移植の方法など
治療選択に迷われる方が大勢いらっしゃいます。


とあるアンケート調査によると
「体外受精治療に進む7割の方が培養士の存在を知っており
そのうち8割の方が、クリニック選択にあたり
培養士の技術レベルや患者対応を基準としていることが分かった」
との報告がありました。

培養士は技術職!と言っていいほど
卵や精子への負担を最小限にした
ベストな操作や管理ができるかが重要です。

そして赤ちゃんになるもっともっと前の命を
取り扱う人間としての責任感
また、これから体外受精に進む不安を抱えている方が
すこしでも安心できるような人間性も重要ではないかと思います。



当院は他のクリニックに比べ
比較的多くの男性培養士が活躍しています。

不妊治療というと

患者様=女性
スタッフ=女性


というイメージがあり
私自身も若かりし頃は気が引けることがありました。
最近は以前に比べご主人様とお話させていただく機会が多くなった気がします。

培養士の指名制は残念ながらありませんが(笑)
若く見えるスタッフでも(アンチエイジングの賜物!)
しっかりと責任を持って対応させていただいております!
気軽にお声掛けくださいね(^^)

最善の治療と納得のいく選択となるよう
技術はもちろん
少しでも患者様の不安を軽減できるようなサポートができるように
精進してまいります。


医療技術部 菊地


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  “ラボ”   “培養士”


IVF治療に進んだ患者様とはお話しする機会がありますが
なかなか表舞台に立たない、ラボの戦士「培養士」たち。
実際どんなことをしているのか詳しくは知られていないのではないでしょうか。
私たちアシスタントも配属当初は未知の世界でした\(◎o◎)/

しかし、日々勤めていると自然と学び、興味がわいてくるもので・・・
今ではすっかり培養士のトリコです(〃艸〃)


そんな未知の空間“ラボ(培養室)”をちょっとのぞいてみましょう!

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ラボは清潔空間となっていて
基本的にラボスタッフのみが入室できます。

清潔な空間ですから、マスクとキャップは必須です。
マスク・キャップは培養士の戦闘服!


手洗い・消毒後、
エアシャワーを浴びて、ラボへ入室。
そして受精卵の操作などを行っているのです。


当院のラボにはこんなものも。
2F待合フロアからラボをのぞける
その名ものぞき窓!!
(そのまま!)

培養業務はタイムスケジュールに沿って動いているので、
タイミングよく操作中をのぞけたらラッキーですよ(* ´艸`)


今後ブログでは、のぞき窓からはのぞき切れないラボの姿を
今後もご紹介していきたいと思っています^^



通勤通学時間帯の地震発生のニュース。とても驚きました。
まだ余震が続いているようです。
周辺にお住まいの方、引続きくれぐれもご注意ください。

各地で度々地震が発生するたび、東日本大震災の当時を思い出します。
当時、当院は移転前。前身の「吉田レディースクリニック」として、
仙台と名取のちょうど中間あたりに位置していました。

クリニックのすぐそばには雄大な名取川が流れていますが、
津波が発生した当時は大変な恐怖でした。

当時から勤務していたスタッフの話によると、
余震が続く中、培養中の受精卵をとにかく凍結し続けたことを
今でも鮮明に覚えているそうです。


地震が起こらないことに越したことはありませんが、
万が一に備え培養室では地震対策をとっています。
今回は、その一部をご紹介しますね!


まず、培養室の機械類は固定が基本!
ロックがかかっていて動きません。


卵や精子の操作を行うクリーンベンチは、壁と固定
施工してくださった業者様の賜物です!

こちらは受精卵などを保存管理している凍結タンク。
この凍結タンク、液体窒素がたっぷり入っていてかなりの重量なんです。
震災当時も転倒しておらず、柔軟に対応できるようあえて可動式に。

災害により供給が不足することを考慮し
液体窒素は常に十二分に補充・保管しています。

電気は停電しても自家発電により電源が取れる非常電源を完備。


また当院では、激甚災害に備え避難訓練も強化し、
患者様やお預かりしている受精卵・精子を守れるよう努めています。

いつ起こるか分からない災害。
普段からの対策がいかに重要か、今一度感じさせられる日々です。


培養室 戸内


皆さんこんにちは。
昨年末に引続き、ラボの岸田理英です。

「日本卵子学会」は不妊治療業界、3大学会の1つです。
畜産や生殖工学分野からも、動物を用いた体外受精や顕微授精の研究が多く発表されます。当院からは私を含む2名が発表してきました!

一つ目は、元気な精子を集めるときに使う培養液を検討した内容です。
体外受精や顕微授精を行うとき、精子はとても丁寧に洗浄され、ゴミや雑菌を除去する必要があります。
そして、洗浄をしながら受精能力を持った元気な大人の精子を集めていくことになります。この洗浄のときに使用する培養液は、多くの会社から様々な効果が謳われたものが出ています。

今回、より「頸管内環境に近い状態を再現した」培養液が開発されたので、当院でもその効果を調べてみました。
その結果、精子の運動性や受精卵の発育は全て今まで使用していた洗浄液と同じ成績となりました。今後さらに検討を重ねたうえで当院で使用していくかを決定したいと考えています。

私の発表では、受精卵が胚盤胞になるかどうかを、早期に見極められないかを検討しました。
当院では皆さんに受精から3日目に来院して頂き、Dr.と相談しながら割れた状態の胚(6分割胚や8分割胚)を見て、胚盤胞で移植や凍結をするのか、それとも、3日目の状態で移植・凍結をするのかを決定して頂いています。
【参考:胚移植の実施と受精卵の凍結】

そのときに、胚盤胞になりうる胚をより高率に選別できるといいなぁ~と思い、ラボでは検討を重ねてきました。

その結果、
授精をすると卵子の中に現れる丸い「前核」というものが
「消える時間」と、「一番最初の分割(卵子の中身が割れること)時間」が遅い受精卵は、発育があまり良くないことが分かりました。

さらに、この2つの時間が遅い受精卵は、胚盤胞移植を行っても妊娠率が低いことも分かりました。
今後さらに検討を重ね、患者さんにフィードバックできるような体制作りを行っていきたいと思っています!

当院理事長も座長として参加しました。
座長とは、発表の司会進行訳を担うと共に、積極的に発表者へ質問をしたり、発表者の内容を掘り下げて考察をするなど、とても重要な役どころなんですよ~!

当院ラボでは、積極的に学会参加をしています。
これは、他施設での研究や新しい技術・知識を得るためでもあり、自分たちの研究について他施設と意見交換をできる場でもあるからです。
今後も、患者さんにフィードバックできる検討を進めていきたいと思います。
皆さん、こんにちは。
胚培養士の岸田理英です。
クリスマスも過ぎ、今年も残りあとわずか。
皆さんはどんな一年でしたでしょうか?
私は…今年もよく食べ、よく飲み、よく肥えた一年でした…。
▲ 今年のクリスマスディナー ▲

さて、今年最後のラボからのご挨拶を務めるにあたり、何を書いたらいいかな~と考えておりました。
患者さんの中には、私たちとの接点がまだあまり無い方もいらっしゃると思います。
私たち胚培養士は、主に体外受精や顕微授精などの治療に進まれた患者さんにお会いすることが多いのですが、それでも、医師や看護師、受付スタッフと比較すると、お顔を合わせる機会はとても少ないですよね。

そんな私たちがとても大事にしていることの一つに、
患者さんへの『お名前確認』があります。

当クリニックでは、様々な場面でお名前確認、ご本人様確認をさせていただいていますので、患者さんにとってはわずらわしく感じることもあると思います。
いつもご協力ありがとうございます。

では何故、胚培養士にとってお名前確認が重要なのでしょうか。
もちろん、最も大事なことは絶対に患者さん間違いをしてはいけないということです。

しかし、もう一つ、大事なことがあります。

患者さんのお顔を見て

『これから、この方の卵子・精子を自分たちはお世話するんだ』

という意識です。

患者さんの精子や卵子、受精卵は、患者さんからの大切な預かりものです。
「お顔も知らない相手」では、お世話をするときの気持ちにも緊張感が無くなってしまいます。

この『意識』は、先輩から教わるものではなく、胚培養士としての責任と自覚から自然に生まれてくるものだと思っています。


。。。。若干、気障で気恥ずかしいことを書きましたが。。。。。
来年も、私たち胚培養士は皆さんの力になれるよう、精進していきたいと思います!

それでは、佳いお年をお迎えください。

▼ 全然関係ないですが、私の癒しです。▼
こんにちは。培養士の結城です。
先日、福島で行われた、第55回東北生殖医学会総会・学術講演会に
参加してきました。
当院からは2名の培養士が発表しました。
福島県には訪れたことがありますが、福島市で降りるのは初めてでした。
学会が行われたコラッセふくしまでは、最上階に展望台があり、
山々を眺めながら美味しいランチを頂きました。新幹線ですぐ着く距離なので、
気軽に観光できそうだなと感じました。

発表内容は新しい精子調整用のメディウムと、
現在使用しているメディウムとの比較検討についてでした。
メディウムは様々なメーカーによって開発されていて、それぞれ特徴があります。
今回新しく使用し始めたものはPhがアルカリ性で、
体内での受精時の環境を再現することを目的に作られたそうです。
今回の検討ではどちらとも同じくらい、運動精子を集めることが出来ました。
メディウムの種類によって、運動精子の回収率や、
受精した後の卵の成長が変わることがあるとのことですので、
より良いものを使いたいと考えています。
もう一つの発表は、受精卵の第一卵割についいてでした。
受精卵が一つの細胞(1cell)から、二つの細胞(2cell)に分かれることを
第一卵割と言います。
この時、均等に分かれる場合と不均等に分かれる場合があります。
第一卵割で均等に分かれた受精卵は、
その後の発育が良好であることが分かりました。
第一卵割を見るためには、タイムラプスインキュベーターに入れる必要があります。
タイムラプスインキュベーターとは、一定時間置きに一つ一つの卵の写真を撮り、
動画の様に観察できる培養器のことです。
今後のエンブリオチェックの際に、移植胚の決定や凍結胚の決定に役立つことを
期待しています。
こんにちは。
医療技術部・胚培養士界のナナフシこと菅野です。

11月16日・17日に山口県で開催された日本生殖医学会に参加してきました。
当院からは、理事長、野田医師が参加し、泌尿器外来の菅藤医師、小林医師、培養士の山田、菅野が講演・発表してきました。
その中でも培養士の発表演題について紹介します。

『前核の出現消失時間が胚盤胞発生に与える影響』
(発表者:山田)

普通、受精卵は培養器の中で育てている為、発育をずっと見ていることができません
タイムラプスインキュベーターは、受精卵を育てながら、15分毎にカメラで撮影しているため、動画のように受精卵の発育を観察することができます
そのため、ひとつひとつ違う受精卵の発育具合を見ることが出来ます。
今回は、精子と卵子が受精する際に現れる【前核】という合図を見て、発育の良し悪しがあるのか見てみました。
すると、受精卵から着床寸前の胚盤胞という段階に発育するものと、しないもので前核(受精の合図)の出現時間や消失時間に違いがありました。
そのため、前核を詳しく見ることで、その受精卵が胚盤胞まで発育する可能性が高いかどうか予測できるかもしれません。

原精液所見が基準値以下の場合c-IVF(体外受精)は可能か』
(発表者:菅野)

通常の体外受精(c-IVF)は、精液を調整した後、元気な精子が多く集まらないと行えません
また不妊症の原因は、女性・男性に同じくらいの割合があり、男性不妊症では、体外受精の成績が下がってしまうとの報告もあります。
多くのクリニックでは、精液検査の時に世界保健機関(WHO)の正常精液所見を基準にして、男性不妊症と判断しています。
でも、この基準値以下だと本当に体外受精が行えないのか検討してみました。
結果として、程度にはよりますが、男性不妊症であっても体外受精の成績は下がらない事が考えられました。

今回は山口県開催!ということで、スタッフたちからフグ食べれるじゃん!!
と言われ期待に胸を膨らませて行ってきました。
しかし、一日中学会に追われておいしいご飯を食べる余裕も無く、
学会から出されたお弁当の冷た~いフグの唐揚げを食べて『ヨシッ!フグ食べた!』と納得して帰りました(笑)
せめて同じ部署のスタッフには、フグを食べさせたい!と思い、お土産にフグを買って仙台へ帰ったのでした。



・・・・・・・・フグせんべいですけどね(笑)

皆様、ご無沙汰しております。
胚培養士の山田と申します。

前回のブログは約1年前の投稿となりました。
次回は気楽にプライベートなことを綴ろうと思っていましたが、
日本IVF学会について書こうと思います。

9/30~10/1にかけて第20回日本IVF学会学術集会が仙台で開催されました。
当院の吉田理事長が大会長となり、スタッフ一丸となり取り組んで参りました。

そんな中、私も一般演題に申込み、発表をしました。
吉田理事長が大会長となっていたので「演題が集まらないと寂しくなるなぁ~」と、張り切って2題演題を出しました。
結果的に、演題は集まりましたが 笑

①検卵時における培養液中の温度変化について

我々、胚培養士は医師が採取してきた卵子を探すのですが、
いかに体内環境に近づけるかが重要であります。
もちろん、胚を培養している時も同じことであります。
体外に取り出すことは、温度や気相の変化が生じます。
この変化は、卵子や受精卵にとって負担が掛かってしまいます。
そこで、いかに体内温度をキープすることができるかに着目し、発表を行いました。

②酸化ストレスがマウス体外成熟培養の成熟率とミトコンドリアクラスターに及ぼす影響

基礎研究として、東北大学大学院農学研究科にて行ったものを発表しました。
胚を培養する時、酸化ストレスが掛かってしまいますが、
年齢を重ねることも、体自身に酸化ストレスが掛かります。
そこで、体自身に酸化ストレスが掛かった未成熟卵子は、
培養方法によって、どのように変化するのか発表を行いました。

そして、大変嬉しいことに基礎研究が
最優秀演題(柳町賞)に選ばれました!
学会時には運営スタッフとして携わっていたので、授賞式の時には、
学会2日目ということで、学会スタッフポロシャツで表彰状等を受取ることになりました
もちろん、初日の演題発表している時はスーツでした!

我々、胚培養士の業務はまだまだ改善する所があり、
患者さまからお預かりした卵子、精子、受精卵を
いかにストレスなく管理することが重要です。
ほんの些細な事でも、不可逆的なこともあるので、気を付ける必要があります。
また、生殖補助医療技術は基礎から応用されている技術でもある為、まだまだ基礎的な研究が必要だと考えられます。
今後も、少しでも患者さまのご期待に添えるよう励んで参りたいと思います。

次回こそは、“私と宮城県”をテーマに、フランクなブログを書きたいと思います。

お楽しみに!!

9月3日に東京で行われた、学会に参加してきました。

この学会は基礎研究を中心としているため、
iPS細胞や、クローンのお話など、普段の生活では耳にしないようなお話を聞いてきました。
難しすぎて、意識がなくなりそうでした・・・。

学会の中で、着床についてのお話がありました。
皆さん「インプランテーションウィンドウ(着床の窓)」
という単語、聞いたことありますか?
内膜が受精卵を受け入れやすくなる時期を言い、
インプランテーションウィンドウが開くときに移植をすることで妊娠が成立します。

では、「いつごろインプランテーションウィンドウが開くのでしょうか?」
着床についてはいまだに解明されていない点が多く、
特に問題がないのに何度移植しても妊娠に至らないこともあります。

その原因のひとつとして、移植日とインプランテーションウィンドウが合わないからではないかとスペインの病院より報告されています。


近年、endometrial receptivity analysis:子宮内膜着床機能検査
通称ERA(イラ)という検査方法が開発されました。

子宮内膜組織を採取し、遺伝子を解析することで、
自分のインプランテーションウィンドウがわかる方法です。
この検査により、自分にとって最適な移植日の見当がつきます。
ですがあくまでも、「インプランテーションウィンドウがわかる」検査です。
この検査をしても、残念ながら必ず妊娠できるわけではありません

ですが、インプランテーションウィンドウを判断する検査のなかでも
ERAは高い精度を誇っています。

が、しかし…検査費用が高額……!これが最大の問題点かもしれません。

このように、不妊治療は日々研究が行われ、改善・進歩していっているのです。

胚培養士 馬場
胚培養士の菊地です。

雨ばかりの印象が残ったまま、あっという間に夏が過ぎ去り、
夜はすっかり涼しくなってしまいましたね。
すっかり遅くなってしまいましたが、7月に鳥取で開催された『日本受精着床学会』にて当院から2題発表をしてきました。

私は、当院で取り組んでいる、
IVM(卵子の成熟過程から体の外で約1日培養する方法)の改良法について
発表してきました。
学会で興味のあった発表として、卵子の染色体異常の原因を探る内容でした。
卵子や精子にも“染色体”があり、それらが合わさって受精卵になる際や、
受精して細胞が分裂する際に、この染色体がきちんと分かれ(分離)ていかないと、どちらかの染色体が多かったり少なかったりする“染色体異常”となり、
受精卵の発育停止や流産の主な原因と言われています。
ヒトの卵子は、他の動物種に比べて染色体異常が起きやすいといわれていますが、
それはヒトの卵子が、皮膚などの体細胞のなかで最も大きい(直径0.12mm)
ことも影響しているようです。
まだまだ詳しい機序は明らかになっていませんが、
染色体異常が起きにくくできれば、もっと成功率も高くなるかもしれませんね??!!

その他にも、サプリメントにもよく含まれている
“抗”酸化物質であるL-カルニチンを、
培養液に加えると受精卵の発育や質が良くなったといった内容など、
たくさん情報収集してきました。


鳥取は最高気温37℃と灼熱の猛暑日でクラクラする一方で、
会場内はエアコンがとても効いており、半袖で体中が冷えてしまい、
それだけで体力が消耗してしまった気がします。
学会前日にお休みをいただき、
CMで有名なベタ踏み坂を通って高速で島根県の出雲大社へ行き、
帰りは水木しげるロードを探索してきました。
出雲大社はただの縁結び神社というだけでなく、
IZUMOという精子と卵子の融合に関わる精子頭部にあるタンパク質
(2005年に大阪大の岡部教授らが発見し命名)の名前の由来でもあります。
卵子と精子を結びつけるという機能を、
縁結びのご利益で知られる出雲大社にもじったそうで、
体外受精や顕微授精でお互いを合わせる培養士としてとても感慨深いものがあり、患者さんお一人お一人の願いが叶えられるようにと、改めて気が引き締まる思いでもありました。


参加者が1200人にも及ぶ学会でしたが、主催の鳥取のクリニックの方々の温かい歓迎や、山陰地方の素敵な雰囲気におもてなししていただきました。

さて、今月末には日本IVF学会が、日本で初めて体外受精が成功したここ仙台で開催され、当院スタッフは最後の準備に追われております。
全国の施設の方々におもてなしをするにあたり、仙台に住んで10年以上となる自分でも、まだまだ知らない仙台の魅力にたくさん触れられた気がします。
たくさんの方に仙台の良いところを見て感じていただけたら幸いです。