ブログカテゴリー: ラボより


こんにちは、臨床検査技師の國府田です。

早いものでもう4月!新年度が始まりましたね。
新年度になると住民健診の申し込みが始まりますが、みなさんは住民健診を受けていらっしゃいますか?

今回は住民健診の「子宮頚がん検診」についてお話させていただきます。
子宮がんは、子宮頸部にできる「子宮頸がん」と子宮体部にできる「子宮体がん」に分類されます。

子宮頸がんは、30~40歳代で多く診断されていますが、近年20歳代でも増加傾向にあります。
子宮頸がんが発生する原因は、主として性交によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)です。
通常はHPVに感染しても免疫機能により排除されますが、ごく一部で感染が持続し、長い期間をかけて、前がん病変(異形成)を経て子宮頸がんになります。

わが国では、20歳以上は2年に1回「子宮頸がん検診」を受診することが推奨されています。
子宮頸がんは、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後のよいがんですが、初期症状がほとんどありません
それだけに、定期的に検診を受けることが重要になります。
まずは、住民健診の申し込みをしましょう!!
ただし、子宮頸がんの治療・経過観察中の方、職場健診・人間ドックなどで受診される方の申し込みは不要です。

仙台市民健診ページへ

仙台市の子宮頸がん検診は当院でも受けていただけます!
受診券がご自宅に届きましたら予約をしてご来院ください。お待ちしております☺

臨床検査技師 国府田

こんにちは。培養士の吉津です。

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新型コロナウイルスの感染拡大により、不安な日々をお過ごしかと思います。
現在のところ、診療は通常通り行い、ヨガ・リラティスは3月いっぱい休講となります。
当院における診療体制について変更がある際は、当ホームページのトップページにてお知らせいたします。
何か不安なことがあればおっしゃってくださいね。

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さて、2020年を迎えて早々に、学会に参加して参りました。
今回私が参加したのは第25回エンブリオロジスト学会です。
エンブリオロジストとは不妊治療ラボの専門技術者であり、培養士のことです。
私たち培養士が参加する学会は様々ありますが、「培養士による培養士のための学会」というのは他にありません。
とても楽しみにしておりました!
そして私にとっては初めての学会発表でした!

1日目はワークショップが行われ、
実技コースとセミナーコースがあり、実技コースに参加しました。
実技コースでは、動物の卵で顕微授精や、胚の凍結・融解を行いました。
多くの培養士がスキルアップのために、実際に手を動かし、技術を学んでいました。
(普段は教わることのできない熟練の培養士の方々が先生です!もちろん当院の培養室主任も!)
このような機会は滅多に無いのでとても充実した時間でした🌸

2日目は学術大会です。
今回の大会では、事前に演題賞が発表され、選ばれた演題は口頭発表となる予定でした。

なんと私の演題が優秀演題に選ばれました!!!
ポスター発表のつもりでポスターを作っていたのでびっくり😱
口頭発表が決まった日からずっと、頭はそのことでいっぱい。。。
さらに当日、会場のホールをみて冷や汗。。。

しかし、いざその時になると冷静に落ち着いて発表することができました。
緊張が身体に出にくいのは私の長所(?)です

発表内容は、「媒精方法の違いが異常分割胚の発育に影響するか」です。
当院で治療中の患者さんはきいたことがあるかと思いますが、SC(ACとも呼ばれます)についてです。
通常の体外受精(c-IVF)と、顕微授精(ICSI)で異常分割を起こした胚の発育に違いがあるのか?を調べました。
異常分割を起こした胚では、顕微授精と比べ、通常体外受精で胚盤胞発生率が有意に高いことがわかりました。
これは異常分割胚に限った結果ですので、媒精方法を気にしすぎる必要はありません。
今回の結果を踏まえて、さらに検討を進めたいと考えています。



発表は午前中の最後のプログラム!
発表終わったぞーーー!!!とお弁当の配布列へ🏃
緊張しつつも朝食をしっかり食べた私でしたが、緊張が解けて、昼食は特に美味しく食べることができました。
休憩時間にはご当地のお菓子も美味しく頂きました。
ずっとお腹がいっぱいだったような…?😋


学術大会では、ステージ上で操作のデモンストレーションもありました。
PGT-Aの細胞採取やPIEZO-ICSI等、特に技術が必要な操作のコツ等について、実際に操作をみながら学ぶことができ、これも培養士のための学会ならではの講演でした。

表彰式では、優秀演題賞の賞状やトロフィー等を頂きました。
そして先日、トロフィーに名前が刻印されて戻ってきました!
賞に恥じぬよう、日々精進して参りたいと思います。

培養士 吉津

培養士の菊地です。

1月に、多くの培養士が所属する「日本臨床エンブリオロジスト学会」において、Biopsy(バイオプシー:受精卵の細胞を一部採取する技術)」の講師として実技指導をさせていただきました。
Biopsyは比較的最近の技術で、培養士の操作(顕微授精や凍結保存など)の中では言うまでもなく難易度の高い技術となります。

透明帯(受精卵の殻)から出てきた、将来胎盤になる細胞を

吸い込んで採取します(最小限のダメージで抑えるのが培養士の腕の見せ所)


突然ですがPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)」はご存知でしょうか?
この検査は、世界では広く行われていますが、日本では検査の有効性を検証する研究が始まったばかりで、当院も臨床研究を担当する施設(全国の体外受精実施施設の約1割ほどです)として承認を得ることができました。
実際には、受精卵の細胞を一部採取し検査することで、受精卵の染色体の数が多かったり少なかったり(染色体の異常)していないかを調べる検査です。
→受精卵の細胞を直接調べる検査がPGT-A

女性の年齢が上がるにつれて、染色体数異常をもつ受精卵の頻度も上がります(残念ながら、受精卵の見た目では正常か異常かの判別がつきません)。受精卵の発育が停止したり、移植をしても着床できなかったり、妊娠しても流産となったりする原因の多くに、染色体数異常が占めていると考えられています。
→他の要因による受精卵の発育不全、流産もあります

同じく染色体を調べる羊水検査は「出生前」検査となり、妊娠されてからの検査となるため、万が一異常があった場合には処置が必要となり、精神的・身体的な負荷は言うまでもありません。
一方で、PGT-Aは「着床前(妊娠に至る前)」にどの受精卵を移植したら良いのか選択しやすくなることから、何回も移植や流産を繰り返すことなく、早く妊娠・出産に至る方法として着目されています。
ただし!!
受精卵の一部を採取する「Biopsy」の操作は、どんなに凄腕の培養士であっても、
受精卵に多少なりともダメージが生じる方法であることをお忘れなく!
よって、今回の「臨床研究」では、ダメージを受けた受精卵でも、
妊娠率や流産率に影響はないのか?を調査する目的で行われています。
→PGT-Aは調査段階の技術

研究に参加できる患者様の対象も、受精卵移植を行い2回連続して妊娠されなかった場合や、2回連続して流産を繰り返された場合などと、制限があります。
詳しくは →着床前胚染色体異数性検査(PGT-A) をご覧いただき、
ご希望の方は申込みフォームよりご連絡をお願いいたします。

こんにちは。情報処理の川村です。

今年もあっという間に1ヶ月が過ぎてしまいましたね💦
なんだか、20歳を過ぎてから時間が経つのがとても早く感じるような気がします…。
ふと、なぜだろう?と思い、何気なく調べてみたところ…なんと!
この現象には名前が付いていましたΣ(゚Д゚)
その名は、ズバリ!「ジャネーの法則」!!
19世紀のフランスの哲学者 ポール・ジャネ氏が発案した法則だそうです。
生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)といった内容。
簡単に言うと、50歳の人にとっての1年の長さは人生の50分の1。
5歳の人にとっての1年の長さは人生の5分の1。
要するに「今年1年」というのは、「自分の年齢分の1年」。
年を取れば取るほど、1年の比重が段々と小さくなっていくというわけなんです。
これを知って、なるほど…と思うと同時に、1日1日を大切に過ごしていきたいなと思いました。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、私からは凍結延長手続きについて、詳しく紹介させていただきます。
前回、情報処理の奥村がブログの最後に触れておりましたが、凍結延長は、1年毎に患者様ご自身でお手続きをしていただくことになっており、
凍結保存期限日までの2ヶ月間が更新手続き期間となります。
延長・廃棄どちらの場合もお手続きが必須となりますので、期日までに完了していただくようお願い致します。
書類は、採卵1週間後の診察の際、体外受精のまとめと一緒に培養士からお渡ししておりますので、そちらをご利用下さい。
2回目以降の更新の際は、お手続きいただいた日に次回更新用の書類をお渡ししております。…と言っても、更新は1年後!!
なくさないよう大切に保管をお願い致しますm(__)m 

でも…もし、万が一、大切に保管していたにも関わらず…!
引越しや書類の整理等で見当たらなくなってしまった場合、どうすればいいの!?と心配になった方、いらっしゃいませんか…?
安心して下さい。大丈夫ですよ(・ω・)ノ
もしなくされてしまった場合は、当院ホームページから書類をダウンロードしてお手続きをお願い致します。➡書類ダウンロード

パソコンをお持ちでない等、ご自宅でダウンロードできない場合は、当院から書類を送付させていただきますので、一度ご連絡下さいね☺

続きまして、延長のお手続き方法についてご案内させていただきます。
郵送・来院の2パターンございますが、来院での延長手続きの場合は、ご予約の上ご来院をお願い致します。
当院予約システム@linkから「相談・セミナー」を選択→「延長更新手続き」でご予約下さい。
水曜を除く平日14:30~16:30、土曜14:30~16:00の30分刻みでの予約枠となっております。
尚、廃棄希望の場合はご予約不要でしたので、書類持参の上、診療時間内に直接4階総合受付へお越し下さい。
また、3年目以降の延長をご希望される場合は、一度診察が必要となりますので、手続き期間内に当院培養室までご連絡をお願い致します。
ここまで、凍結延長手続きについて長々と紹介させていただきました。最後までお読みいただきありがとうございます。
もし何かご不明な点等ございましたら、お気軽に当院培養室までご連絡下さい。
お待ちしております(^^♪

情報処理 川村

テーマ:

お正月明けの培養室

こんにちは。
医療技術部情報処理の、奥村です。
あまり馴染みがなく、皆様とお顔を合わせる機会が少ない職種ですが、日々培養士さん達と一緒に奮闘しております。
主に培養室でのダブルチェックや、凍結保存物の手続き処理、患者様にご提示する妊娠率等のデータ集計、症例の登録や報告などを行っております。

さて、令和初のお正月も過ぎ、当院では1月4日から外来診療がスタートしました。
培養室では年間を通して培養業務がお休みになるのは年末年始だけ!なんです。
凍結融解胚移植が1/9を皮切りにスタートしましたが、採卵が始まると培養室も本格始動します。

束の間の休みのあいだは、学会発表を控えている培養士、抄録の締め切りに追われる培養士、データとにらめっこしている培養士・・・わりとみんなパソコンに向かって黙々と作業をしています。室内がシーーーーンと静まり返っています。
真面目な真面目な培養士さんたち。
そんな中、日常の様子をと思い「写真撮るよ~」と声をかけると・・・

背筋をピーンと伸ばした、本当は超がつくほど猫背な結城さんと、ガチョウの歌が上手な吉津さん(ガチョウじゃなくて白鳥です!by編集中の吉津)
真剣に考えているような雰囲気を醸し出した佐藤さん、
いつもと変わらず黙々と仕事を続ける岸田(♂)さん。
咄嗟にとった行動が、私の中にあるイメージと同じでちょっと笑ってしまいました。

そんな医療技術部では培養士名と臨床検査技師名、私たち情報処理名を含めた総勢13名が今年も

フルパワー


で皆様の笑顔のために尽力して参りますので、よろしくお願いいたします。

 ところで、皆様。凍結中の卵子・精子・受精卵の更新手続きはお済ですか?
当院では基本的に患者様ご自身でお手続きをしていただいており、凍結保存期限日までの2か月間が更新手続き期間となっております。
延長・廃棄どちらの場合でも書類の提出が必要
になりますので、期限日までにお手続きを完了していただきますよう、お願いいたします!
「あ、期限過ぎてたー!」という場合には、培養室までお電話にてご相談くださいね。
★凍結凍結保存物(受精卵・精子・卵子)の延長手続きについてはこちら



情報処理 奥村

こんにちは。培養士の佐々木です。
もう12月ですね。暖かい布団から離れられない季節になってしまいました。

さて、早速本題に入りますが、今回はSEEDPODのことについて触れたいと思います。

SEEDPODのことは皆さんご存知ですか?
SEEDPODは精液を病院に持参される際にご利用いただける保温容器です。
当院の中にも掲示がされていますので見たことある方は多いかもしれませんね。
ご存知でない方はご自身で調べてみてください…。嘘です。
ご興味のある方はリンクから飛んでみてください。成人用サイトですので年齢確認ページを経由します。
SEEDPOD
(当院での実験結果も掲載されています!)

どのクリニックでも治療のため精液を自宅から持参される患者様は多くいらっしゃいます。
当院のブログでも何回か話題に挙がっていますが、持参される患者様にはSEEDPODという保温容器を推奨しています。
既にご利用なさっている患者様も多くいらっしゃいますが、
皆さん取扱方法はしっかりと把握していらっしゃいますか?

「SEEDPOD買いました。この中に入れて持ち運べばいいんでしょう?」ということではありません。
きちんとした使い方をしないとSEEDPODの効果は十分に得られません。
正しい使い方ではない例として一番多いのは「SEEDPODの中を常温にしていない」です。
射精後の精子保管温度は人肌~常温が適温だと言われています。
SEEDPODは「中の温度を保つ製品」であり、常に精液の保存に適した温度を保っているというわけではありません。
寒い朝に冷えたままのSEEDPODに入れて持参してしまうと朝の寒い状態をSEEDPODは保ってしまいます。
精液を冷やさないためにせっかく購入し、使用していてもこれでは意味がありません。
「SEEDPODの中を常温にする」ことが利用するにあたって一番大事なポイントとなります。
気を付けてみてくださいね。 

最後に一つ。つい最近から「アットリンク」のアプリが使えるようになっているのはご存知でしょうか?
当院での呼び出しはメールや院内ディスプレイでの表示でしたが、アプリの通知でも受信できるようになりました。
ポイントカードもアプリの時代になりましたが、病院の呼び出しもアプリになってしまいましたね。
予約も取れるようですよ。スマホの容量に余裕のある方は使ってみてくださいね。
近々アプリで動画も見られるようになるかもしれません(動画作成中ですがもう少しお待ちを…)

培養士 佐々木

こんにちは。虎にビビっていた培養士の佐藤です。また登場しました。
今度は日本の生殖医学会に参加しました。
昨年は諸事情によりWeb上のみで開催された学会ですが
今年は、11/7-8に神戸にて盛大に開催されました!学会はもちろんのこと、神戸スイーツが貰えると聞きつけた佐藤は
自分の仕事が終わるやいなや、スイーツゲットのために動き出したのでした…

ロールケーキゲットだぜ!さすがに2つは貰えないので、プリンは甘党で有名な培養士の山田の分です。
(山田もスイーツゲットのために早々に動き出したのかもしれませんね…)

佐藤は今回もまたSCと呼んでいる、分割エラーについて発表しました。
受精後3日目の受精卵の状態から
胚盤胞に発育しやすいものを予測できるかも?という内容です。
SC有無の胚盤胞発生率のグラフを見た方がいらっしゃるかもしれません。
実は佐藤がまとめた学会データを元に作成されています。
学会ってなに?って思う方が多いと思いますが
データをまとめて皆様に提供したり
他施設での取り組みを当院で試してみたり
学会とは患者様に還元する知識を増やす場です。
ですので、当院スタッフは積極的に参加しています。スイーツにはしゃいでてすいません…

山田はSCと内膜症の関係について発表しました。
内膜症を持っているとSC増えるかも?と思いましたが、増えませんでした。
日本生殖医学会は医師が主体の学会です。
当院の片桐医師、品川医師、非常勤の医師も合間をぬって参加していました!
仙台ARTクリニック全体で、安心安全な医療、成績向上に努めます。

約1ヶ月前になりますが、私、培養士の佐藤
日本を飛び出して海外学会に参加しました。
環太平洋生殖医学会(PSRM)は大体2年に1回開催される学会で、
今年は、タイのパタヤという海沿いの街で開催されました。
東南アジア各国が参加しており、規模としては小さいですが、世界の生殖補助医療の最前線に触れることが出来たと感じています。
世界の方向性を少しお伝えします。

●着床前診断の話
日本人にとってはアレルギー的に嫌悪される、着床前診断は欧米諸国では一般的にされています。着床前診断とは受精卵の染色体検査なのですが、現在の技術では、受精卵に少し傷をつけてしまいます。傷をつけないような検査方法を開発中だ!という講演でした。
前述したように、日本人は染色体検査・遺伝子検査にアレルギー反応を起こすので、導入するのは時間がかかりそうですが、時間がかかる分、発展途上ではなく仕上がったものが導入されてきそうですね。

●遺伝子学の話
なぜ女性同士・男性同士の子供ができないか知っていますか?
クローン技術の発展により、遺伝子を卵子に注入することができます。ということは、精子の代わりに別の卵子の遺伝子を入れれば…もしくは、卵子の遺伝子を取り出して2個の精子を入れれば…女性・男性同士の子供ができそうですよね。
でもできません。ヒトでは男女の遺伝子が揃わないと、子供ができないようにプログラムされているからです。
このプログラム紐解いてやろう!と発表している海外のグループがいました。プログラムの構造が分かれば、プログラムに干渉できるからです。要するに生まれる子供の遺伝子を自由自在に操作できることになります。

●生殖補助医療の話
世界中で体外受精は行われています。各国でスタンダードな治療の基準は様々ですが、世界のスタンダードとしては、
「胚盤胞培養→着床前診断→凍結→融解→移植」みたいです。
(乏しい英語力故自信は無い)
とりあえず着床前診断当たり前みたいな空気が流れていました。
また、学会内の複数の講演で、新鮮胚移植をもっと行うべきでは?という提案がありました。(なんでや?Why?)
根本には着床前診断しないなら、凍結せずに移植でいいのでは?というニュアンスが含まれているんだと理解しました。(たぶん…probably)
遺伝子技術の発展は目覚ましいですね。
佐藤はわりと衝撃を受けたので、遺伝子系の話ばかりになってしまいました。

忘れていましたが、佐藤はただ参加しただけではありません。ポスターを掲示してきました。内容は、当院でSCと呼んでいる分割エラーの培養成績についてです。読んでくれている人がいたので、他国のクリニックで当院のデータを参考にしてもらえるかもしれません。

残念だったことは佐藤の英語力…。送迎のおじさんとはノリで会話できましたが、ホテルのチェックインで、あ、やっぱり話せないわ…となりました。日本にいるだけでは、世界の流れを把握できない事を痛感しましたし、もう少し英会話ができる様になったら、また他の学会に挑もうと思います。()内で単語勉強してたのは内緒です。

仙台とバンコクで直行便が就航(復活?revival?)したので、
思い出したかのように書きました。また行きタイ


虎にビビっていた培養士 佐藤

皆様こんにちは。
培養士の吉津です。

前回まで、ラボの1日をご紹介しましたが、今回は精子にクローズアップしてご紹介したいと思います!

培養室の様子は、2階にある窓からご覧になれますが、精子調整の様子はみることができませんよね。
窓から左奥をよく見るともうひと部屋あることにお気づきの方もいらっしゃるかも知れません。

奥の部屋は、精子受取窓口(受付)とつながっており、精子調整を行う部屋でもあります。


透明の箱はクリーンベンチといって、清潔な空気を中から外に流して箱の中を清潔に保っています。
この中で精子調整を行っています。

精子調整ってなぜ必要なの?
人工授精や体外受精の場合、精液はそのままでは使用できません。
精液には精子以外の細胞成分や、液体成分(精漿)、細菌等も含まれています。
それらを取り除くとともに、より良い精子を集めるために必要です!

どうやって精子を集めているの?
当院では密度勾配遠心法を用いています。
特別な比重の溶液を使用すると、比重が低い、未成熟な精子や死んでしまった精子以外の、密度の高い成熟した精子が沈みます。
下に沈殿した精子をさらに洗浄して、人工授精や体外受精に用いています。

顕微授精では、ここからさらに、プロの培養士が元気な精子を選ぶというわけです。

さて、11月に入り、寒くなってきましたね。
精子は冷えると運動率が低下することがわかっています。
ご自宅から当院に精液を持参される場合、
移動等で寒い外気に触れる時間が長い方には、SEED PODという保温容器をおすすめしています。

詳しくはこちら
SEED PODのご案内(現在販売中!)
精子は寒さに弱い?!
当院で販売しておりますので、お声掛けくださいね。

 

今年もあと2か月ですね。
体調管理に気を付けて過ごしましょう。
こたつで居眠りなんてしないように、わたしも気を引き締めます!

培養士 吉津

皆さん、こんにちは。
胚培養士の山田です。

少し前の話になりますが、
10月5日・6日に第22回日本IVF学会が福岡で開催されました。
当院からは理事長、品川医師、私の3名で参加してきました。

品川医師は、「凍結胚移植時の各種黄体ホルモン製剤による血中プロゲステロン値と妊娠成績の検討」と題して、私は、プラセンタエキス含有サプリメント摂取は胚培養成績を改善するか?」と題して一般演題にて口頭発表しました。

品川医師の発表した概要について記載します。

ホルモン補充周期に使用する製剤には剤形投与回数の異なる製剤が複数あります。
当院では、患者様のライフスタイルや希望に合わせた薬剤を選択していますが、これらの製剤の違いによって、妊娠成績が異なるか検討を行いました。

その結果、妊娠率に影響はありませんでした。
本当に悪い影響がないか検討することは、とても重要なことです。
以上のことから、膣坐剤の選択は患者様が使い易い製剤を選択することが宜しいかと思います。



次に、私の発表した概要について記載します。
当院で取り扱っているサプリメントのプラリエについて、使用前後の胚培養成績を比較しました。プラリエ摂取後は、摂取前と比較し、正常受精率、胚盤胞発生率、良好胚盤胞発生率が上昇する傾向がありました。これは、プラリエの成分に含まれているプラセンタエキスをはじめとする種々の抗酸化物質の働きによって、卵子の質低下を最小限に抑えているという可能性があります。
ただ、サプリメントは食品の一つであるため、さらに詳細に検討をしていく必要があると考えています。
いずれにしましても、食生活、運動、ストレスフリーなど、健康的な生活を送ることが何より大切です!



胚培養士 山田