患者さまの声

スタッフブログ

こんにちは、医療技術部です。
沖縄で開催された日本IVF学会ヘ参加し、「CAPA-IVM」のシンポジウムにて
当院理事長が講演を行ってまいりました。

当院は、かねてから体外受精治療の一つである
IVM(未成熟卵子体外培養)に取り組んでおります。
通常の体外受精は、ホルモン注射をしていただき、
複数の卵子を排卵間際まで身体の中で成長させてから、
成熟卵子の状態で採取を目指し、受精や受精卵培養を行っております。
しかしホルモン注射への反応性が高い多嚢胞性卵巣の患者様の場合には、
多数の卵子が成長してしまい、副作用である卵巣過剰刺激症候群を
引き起こしてしまうリスクがあります。
そのリスクを避けるために、通常よりも早い時期に未成熟な卵子を採取し、
体外培養を行う方法がIVMとなります。
IVMはほとんどホルモン注射を必要としないことから、
注射による苦痛や費用が軽減されるメリットがありますが、
通常の体外受精よりも未だ成功率は低く、未成熟卵子の培養方法については
改善の余地があることから、世界中で長年研究されていました。

近年CAPA-IVMという画期的な培養方法が報告され、
日本でも導入が進みつつあります。
当院におきましても、他施設共同研究として今年度より
CAPA-IVM培養が可能となっております。

CAPA-IVMとは…
これまでは、未成熟卵子を採取後、成熟用培養液で1日培養を行っていましたが、
体内で成熟した卵子よりも卵子細胞内の成熟が不十分なことが
成績低下の原因と考えられてきました。
よって、十分な細胞成熟が行われるように、専用の培養液でもう1日培養を行い、
得られた成熟卵子を受精に用いる方法です。
これまでのIVMよりも成熟率などの成績が改善されたとの報告がされております。

私たち胚培養士も、患者様お一人お一人により良い結果を提供できるよう、
培養法や手技、培養環境の改善に日々取り組んでまいります。