患者さまの声

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こんにちは医療技術部です。
さて、染色体の第二弾(になると思わなかった辛い)始めます。

↓復習(第一弾)はこちらから↓

染色体ってなんだ?①


染色体は本数で表すと前回書いたので、染色体の本数の話を詳しく書きます。

数字が振ってありますが、数字が本数ではありません。……騙されました?
染色体はXみたいな形になっていますが、左の>と右の<で1本ずつあります。
Xで2本です。
ということで、ヒト染色体は22×2本=44本と赤丸内の2本あわせて46本です。
(ちなみにチンパンジーは48本です)

なんでややこしい数字振ってあるの?! 1~46って数字振ってよ!

同感です。


染色体は本に例えられるので、染色体を「ヒトの作り方」というに例えて、解説したいと思います。

「ヒトの作り方」は1巻から22巻まであります。源氏物語に匹敵する長編小説です。
さらに、1巻から22巻まで2冊ずつあり、「女性の作り方」、「男性の作り方」という付録が必ずついています。(赤丸のところ)
皆様の想像通り、付録は性別を表します。
「女性の作り方」を2冊持っていれば(XX)、遺伝学的に女性「女性の作り方」と「男性の作り方」の2冊持っていれば(XY)、遺伝学的に男性です。

Point

染色体は
1-22巻と付録1冊を1セットとして、2セット持っている
という計算です。


ネット等で染色体を調べると“2n=46“そんな表記を目にすると思います。
これは上記を表していて、「2セットで合計46本の染色体を持っている生物だよー!」ってことを端的に表現したものです。
いや!だから‼なんで2セットなのよ!ややこしいでしょ‼

そうでした。すいません。

なぜ2セットなのか?というのは実は単純明快です。
父親から1セット母親から1セットの「ヒトの作り方」をもらって、自分の命が誕生しているからです。
ただし、父親と母親からもらっているので、同じ巻数でも内容は少し違います。
だから1巻から46巻までではなく、1巻から22巻まで2冊ずつ+付録2冊で2セットっていう数え方をしています。

染色体、染色体と何度も書いていますが、からだのどこにあるかご存知ですか?
ヒトの設計図っていう位だから…かな?
Noです。

染色体はヒトを構成するすべての細胞内に存在します。
ヒトの体は数えきれないくらいの細胞の集合体ですが、全ての細胞に、46本全ての染色体が入っています。
心臓の細胞では心臓の設計図が活用されて、筋肉の細胞では筋肉の設計図が活用され…
それぞれの細胞で違う設計図が活用されて、1つの生命体が活動します。

(「ヒトの作り方」1セット分を1冊として表示しています。)

  基本的に全ての細胞が2セットずつ「ヒトの作り方」を持っていましたが、
子孫を残すためには、「ヒトの作り方」を1セット分に分けて、他の1セットと融合する必要があります。
我々ヒトが他者と融合する為に、「ヒトの作り方」を特別に1セットずつの細胞に分けたものが精子と卵子です。
精子同士、卵子同士でも融合すれば生命になれるんじゃないの?!って思った
マッドサイエンティスト思考の人は培養士が書いている過去ブログ読んでみてください。
↓ちらっと触れてありました。↓

環太平洋生殖医学会に
参加しました



ヒトは一人では子孫は残せませんし、残念ながら同性同士でも子孫は残せません。
我々は、遺伝学的に親となる男女から染色体を受け継いで、新しい生命として誕生しました。
両親から 受け継ぐ ということがいわゆる遺伝です。

はい。ここまでの話を読んで
「なるほど。染色体って遺伝子ってやつだな。」と思いましたか?

不正解です。
最初に書いた通り、染色体とはヒトの設計図をまとめたものです。
「ヒトの作り方」という本です。遺伝はしますが遺伝子とは分けて理解したいところです。


来月は染色体と遺伝子の話を書こうと思います。